あなたは人間。


そして私も人間なの。

















気づけばここに居た、人として















たったの1週間位どうってことない。
そう思っていたのは3日前。
待っている時間も、相手があなただから大丈夫だと思っていたのに、
今はあなたが出掛けたあの日から、毎晩掛かってくる電話だけが頼りだった。
その電話1つで、とても安心するから。


今日もあなたの声で1日を終える事が出来る。


耳元に残る声を何度も確かめながら、私は眠りについた。






















草むらをがさがさと掻き分け前へ進むと、ふと周りの木々が無くなって開けた場所へ辿り着いた。
大きな屋敷。豪華な玄関。
ただ、周りの様子から何か可笑しい事は感じ取れた。

「ここ…どこなの?」

後ろから聞こえた扉の開く音に振り向いたが、中から出てきた人物に私は目を見開いた。
黒い髪。黒い瞳。私が、今一番会いたい人。
元はぴしっとした服装だったのだろうが、今は埃っぽく、所々解れたり破れたりしている。
腕から血が滲んでいた。
あたしは震える手を、何メートルも離れたロイへ伸ばした。






ぱぁん






伸ばした先のロイの体が、スローモーションの様にゆっくりと傾き落ちていく。
1コマ1コマが鮮明に脳に刻まれ、ロイの体が地面とぶつかる音でスローモーションは途切れた。

「ろ・・い?」

どこから撃たれて誰が撃ったのか、という疑問はすっぽりと頭から抜け落ち、
私は覚束ない足取りで倒れたロイへ近付き、全く動かない彼の体に触れた。
ぺたりと座り込んだ自分。
触れた地面から感じる温かい感触。
見れば手の平一面真っ赤に染まっている。

「…ゃ…」







「いや…」







「いやあぁぁぁぁっ!」

















ただの夢。あり得ない。










でも。


荒い呼吸。

涙が溢れていた。





















『何か変わった事はあったかい?』

「何にもないよ」

『そうか、良かった』

「…」

?』

「早く…帰ってきて」

『もちろん。なるべく早く蹴りを付けて帰るよ』

「…おやすみなさい」

『ああ、おやすみ、









あなたも私も人間。
必ず『死』というものは訪れる。
あなたの『死』は、私の『死』も同然であり、
あなたが傍にいなければ、私はもう生きていけない。










早く私に触れて下さい

早く私を抱き締めて下さい

早く私にキスをして下さい









あと4日。













早くしないと壊れてしまう











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2005.01.30

あなたから離れれば
私はただの人形でしかない
あとは壊れるのを待つばかり


夢のシーンは、おわかりの通りアニメから拝借しました。