ねぇ、怖いの。
前を歩いていたロイが立ち止まり、こちらを向いた。
後ろを歩いてたあたしも立ち止まり、ロイを見た。
「今、何か言ったか?」
「何も言ってないよ」
「そうか?」
ロイは再び前を見て廊下を歩き出す。
かつかつと響く軍靴の音と、暗闇の外から聞こえる雨の音がその場を支配して、
その何とも言えない重みに、どこか胸が苦しい。
手を伸ばせばそこにあなたは存在する。
あたしに触れるその指も、あたしを包むその腕も、優しい口付けも、手を伸ばせばそこに在る。
あぁ、いつになったらこの恋に飽きるだろう。
いいえ、この恋に飽きることなんかできないわ。
貴方から与えられる全ての物が、同じようで、いつも新しいと感じるの。
あたしの全てがあなたを欲してやまないの。
ねぇ、怖いのよ。
あなたがあたしに飽きるのが。
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2006.07.23
我が儘な私を許して