朝が来て、夜が来て、また朝が来る。
一日一日そうやって過ぎて、世界は回っている。
それは何が起ころうと、変わらない。
「ロイ。もし、あたしが死んだら・・・どうする?」
あたしの足に頭をのっけて本を読んでいたロイが、本から目線を外してあたしを見た。
その目線は数秒後、また本へと戻る。
人が死んでもこの世界は何も変わらない。
人が死ぬとか、そう言う事はこの世界にとって小さな事にすぎない。
何も変わらずこの世界は回り続けるのだ。
全は一、一は全・・・錬金術に置ける基本「等価交換」以前の基本。
「そんな事下らない事を考えていたのか?」
「下らない、って。人はいつ死ぬかわからないじゃない。
明日にでも死んじゃうかもしれない。だって、人が・・・」
「死ぬのは簡単でしょう?」と続けられなかった。
唇に添えられたロイの人差し指。
あたしが喋らなくなったのを見て、ロイはゆっくりと指を外した。
「君を死なせはしない。私から離しはしないし、離させもしない。
君は必ず私が守り通す」
彼の両腕が、あたしの頭をぐいっと引っ張った。
静かに唇が重なる。
ロイの黒い髪、あたしの黒い髪。
この二つが混ざり合った。
Fin.